『映画・読書感想画コンテスト』は、好きな映画や本を題材に心に残ったシーンを絵に描いて応募するコンテストです。
良質な映画を観たり読書することは、子供たちの感受性を豊かにし、道徳心を育みます。多感な子供達の情操教育には大変有効な教材です。そしてその感想を絵として真っ白なキャンパスに自由な発想で描くことは、子供たちの創造力を育み、表現力を養います。子供の頃から当たり前のように映画を観て・読書をして育つ、そんな社会環境を作っていきたいと願っています。
このコンテストは2015年度に中四国エリアで開始し、2020年度以降は全国にエリアを拡大して開催しております。
応募方法としては、①郵送 ②TSUTAYA店頭持込(対象店舗のみ) ③WEBでのご応募の3パターンありますので、全国どこからでもお気軽にご応募いただけます。未就学児から一般の方まで、様々な部門がございます。
奮ってご応募お待ちしております。
「絵を描くこと」と「脳の成長」
映画を観ること、絵を描くことにおける適齢期とは?
また、美術を学ぶことは脳にはどんな影響があるので しょうか?
子どもの絵の表現のレディネス(=絵をかく準備が整った状態)の大事な要因として、次の4つが必要だと考えられています。
- 認知機能の発達
- 自己表現・表示意欲
- イメージの形成
- 手先の巧緻性
自己表現の意欲やイメージの形成には時間が掛かりますが、もちろんそれまで絵を描いてはならないわけではありません。
慶應義塾大学文学部教授 川畑秀明氏は、以下のようにおっしゃっています。
芸術家やアスリートに限らず、自分の人生や生活が自分の脳を作り、その脳が自己を発達させている。
過去の行動の積み重ねが現在の脳を作り、現在の行動が未来の脳を作るともいえる。
しかも、ある長期間にわたって続いていくことだけが未来の自分の脳を変える。
『脳は美をどう感じるか-アートの脳科学』(ちくま新書)
慶應義塾大学文学部教授 川畑秀明・著
美とは?アートとは?
見る人聴く人が創作家の受けた心持に感染さえすれば、それでちゃんと芸術家になる。
一度味わった心持を自分の中に呼び起して、それを自分の中に呼び起こした後で、運動や線や色や音や言葉で表される形にしてその心持を伝えて、他の人も同じ心持を味わうようにするところに、芸術のはたらきがある。
芸術とは、一人の人が意識的に何か外に見えるしるしを使って自分の味わった心持を他の人に伝えて、他の人がその心持に感染してそれを感じるようになるという人間のはたらきだ。
ロシアの小説家トルストイの文章より
映画感想画コンテストでは、映画を観たり絵を描くことが、子どもや脳の成長にもたらす好影響を、実際に映画鑑賞や絵画を楽しみながら一人でも多くの方々に体験して欲しいと願っています。
このコンテストが、良質な映画の鑑賞や、美術館を訪ねアートを楽しむきっかけになれば幸いです。
最後に、本コンテスト開催にあたり、アートの価値・手法や脳への働きについて理解を深める手がかりとなった『脳は美をどう感じるか-アートの脳科学』(ちくま新書)、著者・慶應義塾大学文学部教授 川畑秀明氏に謹んで感謝申し上げます。